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ローカルワークストーリー

「楽しい」と思えること。
〜それが仕事にも家庭にも良い循環になっています。

横浜から北海道へ。結婚を機に日高に移住し、
自分のやりたいことがさらに見えてきました。

根城もえかさんは神奈川県横浜市の出身で大学を卒業するまで横浜で育ちました。幼少の頃から乗馬キャンプなどに参加し、趣味として乗馬を続けることでキャンプの運営にも関わるようになり、北海道に来る機会もありました。そのせいか、都会で育っても自然に囲まれた環境の中で暮らすことに不思議と違和感はなかったと言います。
大学では発達心理学を学んだものの、やりたいことが見つからず、卒業後は横浜を離れ、小笠原諸島でリゾート施設のバイトをすることを選びました。しかし、学んできたことや馬と触れ合う環境にいた経験をどこかで生かしていきたいという思いが強くあり、それを生かせる仕事は社会教育系の仕事かも?と思い、原点に帰って就職活動するも失敗。そんな状況ではありましたが、自然の中で生活するという夢も諦められず、縁あって道東の鶴居村にある鶴居どさんこ牧場でトレッキングガイドの仕事に就いたことが北海道暮らしの始まりでした。

北海道にはフェリーで苫小牧に上陸したというもえかさん。この時点では日高エリアは鶴居村に行くための通過点でしかありませんでした。その後は白滝村(現遠軽町)、再び鶴居村、そして帯広で暮らし、ここで当時は農協職員で日高から勉強に来ていた夫の健太さんと出会います。健太さんと同じビジョンを共有していたもえかさんは結婚を機に日高に移住。ふたりのお子さんにも恵まれ、2015年6月には馬とのコミュニケーションを通じて幅広い事業を展開するMKRanch(エムケーランチ)を健太さんと共にスタートし、現在に至っています。

馬は人の鏡。馬を調教することは、同時に自分と向き合うことだと感じています。

MKRanchでのもえかさんの仕事は、競り馴致、新馬調教、乗馬トレーニング、さらにホースコミュニケーションワークも含む騎乗やグランドワークのレッスンなど多岐に渡ります。

馬のトレーニングは、同時に人材を育成することも必要となり、牧場従業員の育成にもつながっていきます。「新馬を調教することは、馬と向き合うと同時に、自分自身とも向き合うことなのだと日々感じています。まさに馬は人の鏡。扱う人間が変われば馬も変わる。つまり人を育てないと馬も変わっていかないのだと思うととても奥深いですが、それは同時にやりがいでもあります」と、もえかさんは言います。

いわゆる競走馬の産地は、北海道の中でも胆振日高エリアがその大半を占めているということもあり、その世界は非常に狭い世界でもあるようです。その中でも、地域とのつながりや横のつながりも含めて、もえかさんが現在暮らす新ひだか町三石というエリアは、現在の事業を展開するには非常に恵まれた環境であったようです。また、スタート時から自分たちのやりたいことを広げてきたことで、逆にこれからは何をやっていけばよいのかも見えてきたと言います。「日高には乗馬など馬に触れ合える観光施設はいくつかありますが、私たちの仕事は観光牧場ではないので、そういった意味ではそれぞれに違うことを行っていくほうが住み分けもできるのではないかと考えています」

冬は雪が少ない。物足りなさはあっても日々の暮らしを考えると本当に助かります。

さらにもえかさんは、今の仕事は日高の暮らしやすさにも支えられていると言います。「雪が少ない、空が広い、海も山も近い。生まれ育った横浜も嫌いではありませんが、日高には馬がいるのが当たり前といった風景がたくさんあります。これは同じ北海道でも日高に来る前に4年半暮らした帯広(十勝)とは違う風景でした。このエリアは冬に雪が少ないことも馬産地として適しているのだと思いますが、雪と楽しめるアクティビティが少ないと感じることはあっても、日々の暮らしを考えると雪かきなどの負担も少なく非常に恵まれています」 もえかさんにとって日高の暮らしやすさは、仕事にも家庭にも良い影響をたくさん与えてくれているようです。

移住者というよりは流れに任せて、人の縁で地域ともつながっています。

夫の健太さんとの結婚を機に現在の新ひだか町三石で暮らし始めたもえかさんですが、「基本的にはこれまでも流れに任せてそれぞれの土地に暮らしてきた」そうです。しかし、違和感はなく、北海道の距離の遠さも気にならなくなってきたようです。

MKRanchでは、これまでに地域のお祭りなどのイベントにおける乗馬体験、地域保育所の体験乗馬をはじめ、三石軽種馬青年部主催のレディースツアーでの乗馬体験、馬産地の子どもたちへの乗馬教室の実施など、馬と触れ合える場づくりを数多く提供してきました。また、関西や福岡などから修学旅行生の受け入れにも対応しています。

仕事を持つ女性であるとともに、ふたりのお子さんの母親でもあるもえかさん。子育てを通じて地域と繋がっていることも日々の暮らしの中で実感されています。「まだまだ地域の中では新参者。周りの方々の協力があって、子育ての環境や地域とのコミュニケーションにも恵まれていると感じています。そして、仕事もしたい私にとって、馬の競りのシーズンなどは近くの方に子どもを見ていただいたことをきっかけにつながりも深まりました。今では事業についても「根城の奥さん、なんだか面白いことやってるみたいだよ」と口コミを通じて理解していただけるなど、嬉しいこともいっぱいあります」

日高に暮らして7年(2017年現在)が過ぎた現在、移住者としての客観的な部分も大切だけど「いつまでもよそ者の意識では良くないのかも?」という意識も感じるようになり、「今は少しふわふわした気持ち」だと言うもえかさん。これからもそのバランスを取りながら前に進んでいかれることでしょう。

基本はマイペースで。新馬調教をメインに馬とのいい関係を築いていきたい。

子どもの頃から人見知りだったというもえかさん。しかし、仕事や地域の方々とのコミュニケーションを通してそれも改善されたと言います。元来の職人的気質もあり、「もともと馬としっかり向き合いたいタイプですが、これからは馬に伝えるということを通じて、同時に人に伝えるというコミュニケーションの分野を怠らずに向上させて行きたいと思います」と、もえかさんは馬の調教に対して、人が変わらないと馬も変わらないのだということを痛感しています。

さらに「これからも人とのご縁を大切に、マイペースで新馬調教をメインに馬との「いい関係」を築いていければと思っています。そのステップの中で、周りの方々ともつながっていきたいです」

そして、家族についても「子どもに迷惑をかけずに、自分たち夫婦のやっていきたいことでお金を生んで、無理なく生活していければ」ともえかさん。やりたいことを仕事にしてきて充実している現在、それを見て子どもたちもついてきてくれるのではと感じているようです。

今でも原動力になっているのは学生時代の乗馬キャンプ体験。当時参加していた子どもに「キャンプは楽しい?」と尋ねた時に「もえかちゃんが楽しいんだから、楽しいに決まってるじゃん!」と言われたこと。その当時、もえかさんはキャンプのスケジュールをこなすことでいっぱいだったため、楽しむことを忘れかけていた自分にドキっとしたそうです。

「自分が楽しめていたら、この子どもたちはもっと楽しめたかもしれない。だとしたら、まずは純粋に自分自身が楽しめること、楽しいと思えることをやっていくことが大事なのかもしれない」

自分が楽しいと思える仕事ができるからこそ、その良さを伝えられる。その楽しさは夫婦や家族と仲良くやっていける原動力。家族が幸せなら周りの人も幸せにできる。この循環がもえかさんの仕事にも大きなモチベーションになっています。

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