移住者インタビュー08

北海道の農業をサポートできる
ITシステムの開発を目指して。

田名辺 健人さん

東京の印刷会社でITの仕事をしていた田名辺さん。震災を機に、2011年11月に地元の札幌へUターンして、クラウドを活用した遠隔勤務を開始しました。独立した現在は、農業者の目線からのIT活用法を模索しています。

札幌市 IT企業経営 40歳 北海道出身
田名辺 健人さん

インタビュー動画
  1. 移住前の仕事は?

    東京の印刷会社で、ITシステムの仕事をしていました。

    東京の印刷会社で15年間システム開発に携わりました。インターネットで名詞などの印刷物が注文できるシステムや、ブログを製本できるサービスを開発していました。当時としては画期的で、国内の主要ブログと連携していました。

  2. 移住のきっかけは?

    東日本大震災を機に、都市部のITの脆弱性を痛感して。

    2011年の震災で、ITが災害に弱いことを痛感しました。コンピュータやサーバーがダメになれば、プログラムやシステムそのものが失われてしまいますから。当時まだ出始めだったクラウドを使って、リスクを分散することを考えはじめました。

  3. 北海道を選んだ理由は?

    両親の病気のこともあり、故郷の札幌に戻ることに。

    たまたま同じタイミングで、僕の両親がある難病に認定されてしまって。子どもが小学校に入学する時期にも重なって、そろそろ北海道へ帰ろうと思いはじめたんです。システムをクラウド化すれば、北海道でも東京と同じ仕事ができますから。

  4. 移住のプロセスは?

    トライアルを経て、北海道での遠隔勤務をスタート。

    神奈川県の自宅での遠隔勤務のトライアルを経て、会社と話し合った上で、4年前に北海道での勤務をスタートしました。3年ほど会社に遠隔勤務していましたが、帯広のとあるベンチャー企業に参加することになり、東京の会社は辞めました。

  5. 移住後の経緯は?

    農業の現場を知るために、ベンチャー企業から独立。

    そのベンチャー企業では、スマートフォンで牛の個体管理をする「酪農畜産クラウド」の立ち上げに関わって、結局半年ほどで辞めました。農業の知識がないことを痛感して、もっと農業の現場に立つ必要があると考えたので、独立を決断しました。

  6. 独立後に取り組んだことは?

    実践的な農業講座で「農業者の視点」を学びました。

    独立後は、札幌市が主催する「さっぽろ農学校」という実践的な農業講座で学びました。毎週土曜日の専修コースで、座学も実地修もある充実した内容で。農業指導員をされているプロの農家の方から、実際の生産者の仕事やテクニカルな知識を教えていただきました。

  7. 仕事の内容を教えてください。

    以前の仕事の関係で東京からのITの仕事を受注。

    遠隔勤務してきた経験を生かして、前職でつながりがあった東京近辺のお客さんからITの仕事を受注しています。ベンチャー企業が新しくサービスを始めるというときに、その基盤としてクラウドを使うというのは当たり前になっているので、そのあたりのサポートがメインですね。

  8. 1日のスケジュールは?

    ITの技術者として、日程も時間もフレキシブルに。

    今はITの仕事がメインなので、朝から晩までパソコンの前で作業しています。個人事業主なので、日程も時間もフレキシブルに、お客さんに合わせてやっています。「さっぽろ農学校」に通っていたときだと、昼は畑仕事、夜はITの仕事という感じでした。ITと農業を両立するテストケースになりましたが、実際にやるとなるとかなりハードだということがわかりました。今後は、もっと地元に根づいた形の農業系ITを考えています。

  9. 今後の課題は?

    農業とITをマッチングさせる方法を模索中です。

    農業講座で学んで、農業には正解がないということを痛感しました。かたや、ITシステムにはきちんとした決まりがあります。これを単純にマッチングさせても、実際の現場に対応できないものになってしまいますから、自分なりのアプローチの仕方を考えなければと思っています。まだ正解は出ていないんですが。

  10. 趣味はありますか?

    学生時代からずっとベースを弾いています。

    音楽が好きで、自分でもベースを演奏します。学生時代からサークルでバンドを組んでいて、今でも時折ステージに立ったりしています。仕事に疲れたときなど、この6弦ベースを弾いたりするのが気分転換になっています。

  11. 将来の展望を教えてください。

    農業を「プラットホーム」にした展開を考えています。

    ITには「プラットホーム」という言葉がありますが、農業や農地もプラットホームだと僕は思います。しっかりした基盤があって、その上にITをはじめ、いろいろなものが乗せられるんじゃないかなと。たとえば農場でイベントをしたり、子どもに農業体験をさせたり。個人的には、ITエンジニアが農作業をやりつつITの仕事もできるような「半農半IT」の場所がつくりたいですね。

  12. 移住の先輩として一言!

    北海道のポテンシャルに負けない姿勢と、
    自分で動くアクティブさが大事です。

    北海道という土地はものすごくポテンシャルが高いので、それに負けないように頑張るというポジティブな姿勢が必要なんじゃないかと思います。インターネットをはじめ、情報があふれている時代ですが、やっぱり自分で動いてみることが大事です。体験してみたり、人に会ってみたり、見に行ってみたり、まずは自分でやってみるということからはじめてみては?

北海道暮らしのこぼれ話

「さっぽろ農学校」での農作業
体を動かして学んだことはずっと忘れません。

農業支援センターというところに、みんなで大きな畑を管理する「共同ほ場」と、家庭菜園的に50平米の畑が与えられて、そこに自分なりの作付け計画を立てて作物をつくる「個人ほ場」がありました。かなりハードでしたがものすごく勉強になりました。単純に楽しかったですし。

田名辺さんに学ぶ!移住のポイント

  1. 01スキルを生かして遠隔勤務を実現した
  2. 02農業とITという明確なテーマを持った
  3. 03目標のために働き方を柔軟に変えている
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